牧野フライス製 立フライス盤 KJP-2Sの主な特徴

-主な仕様-
– テーブル寸法：約1100 × 250 mm（T溝14 mm × 3本）
– X軸移動量：約550 mm（左右）
– Y軸移動量：約250 mm（前後）＋オーバーアーム300 mm（設定による）
– Z軸移動量：約350 mm（テーブル上下）
– テーブル作業面高さ：主軸端〜テーブル上面 約5 〜 455 mm
– 主軸テーパー：NT40
– 主軸回転数：225 〜 4 000 rpm、ベルト10段変速またはインバーターによる無段変速仕様あり
– 主軸ヘッド左右旋回：±45°程度（ヘッド旋回機構付き）
– XY軸デジタルスケール標準装備（Magnescale）
– オーバーアーム昇降ブロック（センタ高上げ）仕様あり：約100 mm
– 主軸クイル送り量：約80 mm
– 機械寸法：幅約2 190 × 奥行約1 815 × 高さ約2 080 mm（1973年式参考）；重量：約1 550 kg

-特長とメリット
１．高剛性ラム型構造と角コラム設計により、芯振れが少なく高精度・高剛性加工に適する
２．±45°旋回可能な主軸ヘッドにより、斜面加工や傾斜穴加工などの多角度切削に対応可能
３．XY軸Magnescaleによるデジタルポジション表示で、位置決め精度と再現性が高い
４．インバーター無段変速モデルでは、ベルト10段構成よりも滑らかで幅広い回転範囲制御が可能
５．オーバーアーム昇降仕様により、高さのあるワークにも対応できる柔軟性がある
６．NT40テーパーおよび標準コレット対応により、市販工具との互換性が高い
７．主軸ヘッド旋回＋クイル送り＋昇降ブロックの組合せで、多工程・多方向加工にも柔軟に対応可能

-加工用途と評価-
・精密部品加工、金型部品、治具製作、試作品加工などに幅広く使用される汎用性の高い立フライス盤
・中古市場でも1970年代製（1967年、1971年、1973年、1980年など）のモデルが稼働流通しており、インバーター改造モデルなども存在する
・オーバーホール済やMagnescale搭載モデルは、現在でも精度重視の現場で継続利用されている

-メンテナンスおよび点検ポイント-
– XY軸Magnescaleの精度、応答性、目盛表示の状態を定期的に確認すること
– 主軸ベルト変速機構またはインバーター無段変速の切替動作を滑らかで異音がないかチェックすること
– ヘッド旋回機構やオーバーアーム昇降ブロックの摺動・ガタ、ブロック固着の有無を点検すること
– ラム、クイル、テーブル、コラム摺動面の摩耗やガタつきを確認し、必要に応じて摺動面研磨やパッド交換を実施
– 主軸クイル送りの質量、ラチェット動作に問題がないか確認
– 電動機、配線、操作スイッチの状態および給油・グリスアップなどの潤滑メンテナンス履歴を点検すること
– オーバーホール歴（例：1999年改造の報告あり）やユーザーによる改造履歴などを確認すると状態把握に有効

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