フライス盤の主な特徴

1. フライス盤の概要
フライス盤とは、回転する切削工具（フライス）を用いて、金属や樹脂などの材料を平面・溝・段・穴などに加工する機械工作機械である
切削工具が主軸によって回転し、工作物が固定されたテーブルを前後左右上下に動かすことで、多様な形状加工が可能となる
一般的には、主軸・テーブル・サドル・コラム・ベースなどで構成される
2. フライス盤の分類（構造別）
2-1. 立フライス盤（Vertical Milling Machine）
主軸が垂直に配置され、工具が上から下へ向かって回転する構造
平面加工、段加工、溝加工、穴あけ加工などに適しており、一般的に普及している形式である
2-2. 横フライス盤（Horizontal Milling Machine）
主軸が水平方向に配置され、側面から工具が加工物に接触する構造
大物や長尺物の側面加工や、ヘリカルギア加工などに向いている
2-3. 立横兼用フライス盤（Universal Milling Machine）
立と横の主軸を切り替えて使える構造を持ち、広範囲な加工に対応できる
万能性に優れ、教育機関や試作現場などで広く使われている
2-4. ラム型フライス盤（Ram Type）
主軸が取り付けられたヘッドを前後にスライド可能な構造で、アメリカ式やブリッジポート型に代表される
ワーク位置に対して主軸位置の微調整が可能で、段取りの自由度が高い
3. フライス盤の主な構成要素と機能
主軸（スピンドル）
工具を取り付け、回転させる軸であり、回転数（rpm）はベルト変速やギア変速、インバータ制御によって調整される
テーブル
工作物（ワーク）を載せて固定する台であり、X軸（左右）、Y軸（前後）、Z軸（上下）に手動または自動で移動可能
サドル・ニー（膝）
テーブルを支える部品で、主にZ軸の上下移動を担い、剛性と安定性を高める役割を果たす
クイル（Quill）
主軸を上下に送り込む機構で、ドリル加工や穴あけ加工時に有効
主軸テーパー
工具を取り付ける部分の形状で、NTテーパー（No.30/40/50）やMTテーパー（モールステーパー）などがある
送り装置
テーブルやクイルを一定速度で動かすための装置で、自動送り・早送り・手動送りがある
4. フライス盤の主な加工内容
– 平面加工：鋼板やアルミ板の表面を平滑に加工する
– 溝加工：キー溝、T溝、V溝などの形状をフライスカッターで加工する
– 段加工：高さの異なる段差を持たせた加工を行う
– 穴あけ加工：ドリルを用いて垂直または傾斜角の穴を加工する
– 端面加工：板材や角材の端部に垂直切削を施す
– 曲線加工：エンドミルを用いて輪郭や形状に沿った曲線を加工する
5. フライス盤の選定ポイント
– 加工する素材やサイズに応じて、X/Y/Zストロークの大きさを確認する
– 主軸のテーパー規格と使用可能な工具の互換性を確認する
– 加工に必要な回転数や送り速度の範囲が確保されているか確認する
– デジタルスケールや自動送りなどの補助機能の有無も検討材料とする
– 設置スペースと機械重量により、搬入やレイアウトの可否を事前に検討する

工作機械・精密加工機械の高価買取一覧

汎用旋盤/フライス盤/NC旋盤/マシニングセンタ/プレス機械/成型機（成形機）/シャーリング/バンドソー/研削盤(研磨機)/測定器（測定機）