半自動溶接の基礎知識と中古導入のポイント仕組みから失敗しない中古選びまでやさしく解説

半自動溶接機（MIG／MAG／CO₂溶接機）は、ワイヤ送給が自動で行われるため、アーク溶接よりも効率よく安定した仕上がりが得られる溶接方法です。
ものづくり現場や自動車板金、建築鉄骨など幅広い分野で採用されており、中古機として導入するケースも年々増えています。
本記事では、半自動溶接の基礎知識とあわせて、中古半自動溶接機を導入する際のチェックポイントをわかりやすく解説します。

① 半自動溶接とは？基本構造と特徴

• ワイヤ送給が自動：トーチのトリガーを引くだけで、連続的にワイヤが送られアークが維持される。
• シールドガスで溶接部を保護：ガスで溶融金属を覆い、酸化やピットの発生を抑える。
• アーク溶接より作業性が良い：連続溶接に向いており、ビード外観も安定しやすい。
• 薄板から中厚板まで幅広く対応：自動車板金や製缶、一般構造物など幅広い用途で使用可能。
• 初心者でも習得しやすい：手棒溶接に比べてアークのスタートが容易で、ビード形成も安定しやすい。

② 半自動溶接の方式と適した用途（MIG／MAG／CO₂）

• MIG溶接：アルゴンなど不活性ガスを用いる方式で、アルミ・ステンレスなどの非鉄金属に適している。
• MAG溶接：CO₂＋アルゴン混合ガスを用いる方式で、一般鋼材の高品質溶接に広く用いられている。
• CO₂溶接：安価なCO₂単体ガスを用いる方式で、スパッタは多いがコスト面で優れる。
• 用途に応じたガス・ワイヤ選定：母材材質や板厚、仕上がり要求に合わせてガスとワイヤを選ぶことが重要。
• パルス制御機の普及：薄板・高品質溶接を狙ったパルス制御タイプも増え、中古市場にも出回り始めている。

③ 半自動溶接機を選ぶ際に見るべき基本スペック

• 電源（入力電圧・容量）：100V／200V、三相か単相かなど、設置現場の電源環境と合致しているか確認。
• 最大・最小溶接電流：対応できる板厚や用途に直結するため、必要な電流レンジを満たしているかが重要。
• 対応ワイヤ径・ワイヤ種類：0.6～1.2mmなど、よく使うワイヤ径と材料に対応しているかチェック。
• 使用できるシールドガス：CO₂専用か、MAG（混合ガス）対応かなど、ガス種の対応を確認。
• 定格使用率：連続溶接時間の目安となる指標で、重負荷の現場では高い使用率の機種が望ましい。

④ 中古半自動溶接機導入時のチェックポイント比較表

⑤ まとめ：基礎を押さえれば中古導入でも安心

半自動溶接は、ワイヤ送給とシールドガスによって安定した溶接品質を得られる便利な工法です。
電源・出力レンジ・ワイヤやガスの種類といった基礎仕様を理解しておけば、自社に合った機種を選びやすくなります。
中古半自動溶接機であっても、電源条件・本体状態・部品供給などのポイントを押さえて選定すれば、コストを抑えつつ現場に適した一台を導入することが可能です。

よくある質問（FAQ）