中古研削盤の精度確認で必ずチェックすべき項目高精度加工を維持するための事前点検ガイド

中古研削盤を導入する際に最も重要なのが「精度確認」です。
良好な研削精度を維持できるかどうかは、テーブルや主軸、砥石軸など複数の要素によって決まります。
本記事では、中古研削盤の精度確認で必ずチェックすべき項目を実務視点でまとめました。

① 主軸（スピンドル）の状態確認

• 主軸の振れ測定：ダイヤルゲージで測定し振れが少ないか確認。
• ベアリングの異音：回転時にゴロゴロ音がする場合は要注意。
• 温度上昇の確認：異常発熱は摩耗や潤滑不良の可能性。
• 立ち上がりの滑らかさ：回転ムラがないかチェック。
• スピンドル交換歴の有無：交換済みなら精度が確保されているケースが多い。

② テーブルの動き・平行度

• テーブル往復運動のスムーズさ：引っかかりがないか確認。
• 左右・前後のガタ：測定器でガタや傾きをチェック。
• 平行度測定：テストピースを加工し、平面度・平行度を確認。
• 手動送り・自動送りの動作確認：スムーズに動くかどうか。
• テーブル端面の摩耗：段付き摩耗がある場合は要注意。

③ 摺動面の摩耗・傷

• 摺動面の傷・錆の確認：加工精度に直結する重要部分。
• 油膜の状態：潤滑不足は摩耗の原因。
• ギブ調整の状況：ガタつき・締めすぎの有無を確認。
• 摩耗量の測定：特に中央部の摩耗をチェック。
• 交換・再生歴の有無：再生済みなら長期使用が可能。

④ 砥石軸・砥石フランジの状態

• 砥石軸の振れ：砥石のブレは面粗度に影響。
• 砥石フランジの締付け状態：偏締めがないかチェック。
• 砥石交換の履歴：古い砥石は交換が必要。
• 砥石バランス：バランス不良は振動の原因。
• カバー・ガードの安全性：破損がないか確認。

⑤ 電装・制御系の動作

• 操作盤の動作確認：スイッチ・ランプ・設定値が正しく動作。
• インバータ・モーターの状態：異音・過電流がないか。
• 安全装置の作動：非常停止ボタン・カバー連動が正常か。
• 電気配線の劣化：被覆割れ・焦げ跡などの確認。
• 自動運転の精度確認：プログラム通り動作するかチェック。

⑥ 精度チェック項目まとめ表

⑦ まとめ：測定・試運転が中古精度の判断材料に

中古研削盤を導入する際は、主軸・テーブル・砥石軸・摺動面など精度に直結するポイントを必ず確認する必要があります。
可能であれば、試運転や加工テストを行い、実際の加工結果から精度を判断することが理想的です。
整備済み中古や再生研削盤なら、実務レベルで長期運用できる精度を確保できます。
精度確認を徹底することで、安心して中古研削盤を導入できます。

よくある質問（FAQ）