中古研削盤の故障しやすい箇所とその対策事前対策と定期メンテで長寿命・高稼働率を実現

中古研削盤は価格メリットが大きい一方、使用年数や管理状況により故障リスクが高まる部位があります。
故障しやすい箇所を理解し、適切なメンテナンスを行うことで、高精度を維持しつつ長期間安定稼働が可能になります。
本記事では、中古研削盤で特にトラブルが多い部位と、その対策方法をわかりやすくまとめています。

① 主軸（スピンドル）のトラブル

• ベアリング摩耗：異音・振動が増え精度低下の原因に。
• 主軸振れの増大：加工面が荒れたり寸法精度が不安定になる。
• 過熱：潤滑不足や内部摩耗による問題。
• 対策：定期的な振れ測定、異音点検、ベアリング交換が必須。
• 予兆の見極め：起動時の異音・高温・回転ムラは要注意。

② 砥石周りの故障ポイント

• 砥石軸のガタ：精度低下＋危険を伴う重大トラブル。
• 砥石割れ・欠け：過負荷や偏心による破損。
• 砥石フランジの摩耗：締め付け不良により偏摩耗が発生。
• 対策：定期的な砥石交換、ドレッシング、フランジ点検が重要。
• 予兆の見極め：ビビり音・砥石面のムラ・振動増加。

③ 摺動面・ガイドの摩耗

• 摺動面の段付き摩耗：テーブルの動きが不均一に。
• 油膜切れ：摩耗を加速させる大きな原因。
• ガイドのガタ：平面度・直線性に影響。
• 対策：清掃・潤滑管理・キサゲ調整・オーバーホール。
• 予兆：テーブルの重さ・引っ掛かり・摺動音増加。

④ テーブル送り機構の不具合

• 送りネジ摩耗：バックラッシュが増える。
• 自動送りの不調：油圧・モーターの劣化。
• ギア摩耗：送り速度が不安定に。
• 対策：送り機構の点検、ネジ・ナット交換、油圧装置整備。
• 予兆：送り不良・異音・速度ムラ。

⑤ 電装系（制御盤・モーター）の故障

• リレー・スイッチの接触不良：動作不良の大きな原因。
• インバーター故障：主軸回転が不安定に。
• 配線劣化：ショートや断線リスク。
• 対策：配線点検、制御盤清掃、ファン交換、基板の目視確認。
• 予兆：電源落ち・操作不能・焦げ臭さ。

⑥ 故障箇所と対策の一覧表

⑦ まとめ：予防保全で中古研削盤は長く使える

中古研削盤は適切な管理によって、新品同様の精度を長期間維持できます。
特に、主軸・砥石・摺動面・送り機構・電装系は故障が多いため、定期点検と早期対策が欠かせません。
異音や振動・動作不良といった「初期兆候」を見逃さず、予防保全を徹底すれば、設備稼働率と加工品質が大幅に向上します。
中古研削盤を長く安全に使うためには、日常メンテナンスと定期整備が最も重要です。

よくある質問（FAQ）