中古トータルステーションとGNSS測量の使い分け現場条件で選ぶ最適な測量スタイル

測量現場では、トータルステーション（TS）とGNSS測量機をどのように使い分けるかが作業効率と測量精度を大きく左右します。
中古トータルステーションを賢く活用すれば、コストを抑えつつ高精度測量を実現できますが、GNSS測量との適切な役割分担が重要です。
本記事では、中古TSとGNSS測量の違いと、現場での最適な使い分けをわかりやすく解説します。

① トータルステーションとGNSS測量の基本的な違い

• 測定原理：TSは角度・距離を測り、GNSSは衛星信号から位置を求める。
• 測量精度：TSはミリ単位、GNSSはセンチ〜数センチ精度が一般的。
• 環境依存性：TSは視通が必要、GNSSは衛星の見通しが必要。
• 操作性：GNSSは単独作業が容易、TSは2名作業または自動追尾が必要。
• 使用範囲：TSは屋内でも使用可能、GNSSは屋内不可。

② 中古TSが得意とする測量場面

• 高精度を求める場面：出来形管理・構造物配置・通り芯出しなど。
• 遮蔽物が多い現場：高架下・ビル街・林間などGNSSが不安定な場所。
• 近距離〜中距離の測量：建築現場・土木細部施工に最適。
• 壁面・構造物計測：ノンプリズムTSが有効。
• 屋内測量：GNSSでは不可能でTSなら対応可能。

③ GNSS測量が特に有効な場面

• 広大な現場：造成・道路・河川・農地など広範囲を短時間で測れる。
• 基準点測量：広域の位置決定に非常に便利。
• 単独作業で効率化：人員が少ない現場で強い。
• 視通が確保できる現場：障害物が少ない場所で高精度。
• ICT施工：3Dデータ連携に強み。

④ 現場での実践的な使い分け方

• 基準点の取得はGNSS、細部はTS：位置決めはGNSS、施工精度が必要な部分はTSで仕上げ。
• 障害物の有無で判断：衛星が遮られる場所ではTSが有利。
• 作業人数で選択：1人作業中心ならGNSS、自動追尾TSならTSでも1人作業可能。
• 工期と効率を考慮：広い現場はGNSSで全体把握、細かい測量はTS。
• 予算に応じて中古TSを活用：低コストで高精度が必要な現場に最適。

⑤ 使い分けのポイントまとめ表

⑥ まとめ：TSとGNSSの併用で精度と効率を最大化

中古トータルステーションは高精度・低コストで導入でき、GNSSと組み合わせて使うことで現場に最適な測量環境を構築できます。
GNSSで広域の位置情報を取得し、TSで細部精度を仕上げることで、効率と精度の両立が実現します。
現場条件や作業内容に応じて両者を使い分けることで、施工精度の向上・作業効率の改善・コスト最適化が期待できます。
TSとGNSSをうまく併用し、自社に最適な測量ワークフローを構築しましょう。

よくある質問（FAQ）