中古木工集じん機のダクト径と吸引効率の関係最適な配管設計が性能を左右する

木工集じん機の吸引性能は、本体の出力だけでなく「ダクト径（配管径）」によって大きく左右されます。
特に中古集じん機では、現場環境に合わせて後付けでダクトを組み替えるケースが多く、径の選択を誤ると吸引効率が大幅に低下することがあります。
本記事では、ダクト径の違いが吸引性能に与える影響と、最適なダクト設計のポイントを解説します。

① ダクト径によって吸引効率が変わる理由

• 空気流速が変化する：ダクトが太すぎると流速が落ち、粉じんが滞留しやすい。
• 静圧のバランスが変わる：細すぎるダクトは抵抗が増え、風量が低下する。
• 分岐数と径の組み合わせで風量が変動：複数箇所の吸引ではバランス調整が必須。
• 距離と曲がりで抵抗が増加：長距離配管やエルボ多用は風量ロスの原因。
• 機械ごとの必要風量に差がある：丸鋸・サンダー・手押し鉋などで最適径が異なる。

② ダクト径選定で重要なポイント

• 本体の風量・静圧に合わせる：3kWクラスなら100〜150mmが一般的。
• 加工機の吸引口サイズ：吸引口に合わせて径を無理に絞らない。
• 主幹ダクトと枝ダクトの役割分担：主幹は太く、枝は短くするのが基本。
• 将来のレイアウト変更を考慮：増設予定がある場合は余裕を持たせる。
• サイクロン併用の場合の風量調整：サイクロンの特性により最適径が変わる。

③ ダクト径ごとのメリット・デメリット

• 75mm（細径）：小型機向きだが、長距離配管には不向き。
• 100mm（標準径）：多くの木工機械に対応しバランスが良い。
• 125mm（高効率）：風量を多く取りたい現場に最適。
• 150mm（大径）：主幹ダクト向きだが、流速低下に注意。
• 200mm以上：広い工場の主幹専用で、分岐設計が重要。

④ 現場で実践される効率的なダクト運用方法

• ダクト配管を可能な限り短く：長い配管は風量ロスが大きい。
• エルボの使用を最小限に：曲がり1つで風量が数％低下することも。
• 未使用ラインを閉じる：ダンパーで流量を制御し風量を集中させる。
• 定期的なダクト内部清掃：木くず堆積が風量低下の大きな要因。
• 径変更部分にテーパー管を使用：急激な径変化は乱流を生むため避ける。

⑤ ダクト径と吸引効率の比較表

⑥ まとめ：最適なダクト径で中古集じん機の性能を最大化

中古木工集じん機の性能を最大限に活かすには、ダクト径の選定が非常に重要です。
本体の風量・静圧、機械の吸引口、配管距離などを総合的に判断し、最適な径で構築することで吸引効率が大幅に向上します。
中古でも適切なダクト設計を行えば、新品同等の性能を引き出すことは十分に可能です。

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