中古ターボ分子ポンプの回転数・排気速度(L/s)の見極め方性能評価で失敗しないために

ターボ分子ポンプの性能を評価するうえで重要なのが「回転数」と「排気速度（L/s）」です。
中古品は使用歴や劣化状態によって性能差が生まれやすいため、これらの指標を正しく読み取ることが欠かせません。
本記事では、中古ターボ分子ポンプ購入時に必ずチェックすべき性能指標とその見極め方をわかりやすく解説します。

① 回転数と排気速度の基本

• 回転数（rpm）：ローターの回転数。一般的に3万〜9万rpm。
• 排気速度（L/s）：1秒間にどれだけ排気できるかを示す数値。
• 回転数が高いほど排気性能も高い：が、ベアリング負荷も増加する。
• モデルごとに最適回転数が設定：メーカー仕様を基準に判断する。
• 排気速度は口径サイズにも依存：φ50、φ100などで性能が変わる。

② 中古品で回転数を見るべき理由

• 劣化状態が回転数に現れる：ベアリング摩耗で最大回転数に到達しない場合がある。
• 異音・振動の確認がしやすい：回転数テスト時に状態チェックが可能。
• アワーメーターが無い個体は回転数が判断材料：稼働状況の推測に役立つ。
• コントローラーとの相性確認にも有効：正常に回転制御されるか確認できる。
• 回転上昇が遅い個体は要注意：内部摩擦・汚れ・ベアリング劣化の可能性。

③ 排気速度（L/s）の確認方法

• メーカー仕様書で確認：まずはモデル固有の排気速度を把握。
• 実機テストが重要：中古は仕様値と実測が異なる場合がある。
• 配管径・取り付け方法で低下：取り付け環境が性能に影響する。
• 油汚れや付着物は排気性能を低下させる：内部洗浄済み個体か確認。
• 高排気速度モデルを優先：用途が広く余裕を持った運用が可能。

④ 実機チェック時の注意ポイント

• 正常回転に達するか：規定rpmまでスムーズに上昇するか確認。
• 異音・振動の有無：ベアリング劣化の典型的なサイン。
• 回転数の安定性：回転が不安定な個体は故障リスクが高い。
• 排気テストの実施：可能なら実際に到達圧を測定する。
• コントローラー互換性チェック：制御異常がないかを必ず確認。

⑤ 回転数・排気速度の比較表

⑥ まとめ：スペック確認が中古選びの成功に直結

中古ターボ分子ポンプの性能を見極めるには、回転数と排気速度の確認が最重要ポイントです。
特に、実機テストで「最大回転数に到達するか」「異音・振動がないか」「排気速度が仕様に近いか」をチェックすることで、信頼性の高い個体を選ぶことができます。
スペックの理解とチェック方法を押さえれば、中古でも安心して高真空環境を構築できます。

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