真空リーク検査方法と中古ターボ分子ポンプの性能確認安定稼働のための必須チェック

ターボ分子ポンプの性能確認で最も重要なのが「リーク検査」と「排気性能チェック」です。
中古品では、Oリング劣化・フランジ傷・内部汚れなどにより真空性能が低下していることがあり、購入前の性能確認が不可欠です。
本記事では、代表的なリーク検査方法と、中古ターボ分子ポンプの性能を正しく確認するポイントを詳しく解説します。

① 真空リーク検査が必要な理由

• 到達圧に影響：リークがあると仕様圧に達しない。
• 排気速度の低下：真空維持が不安定になる。
• ポンプに過負荷：回転数制御が乱れ、内部温度が上昇。
• 中古では劣化が多い：Oリング・フランジの傷・締め付け不良が原因。
• 性能保証のために必須：購入後のトラブル防止につながる。

② 代表的なリーク検査方法

• ヘリウムリークテスト：
  ・最も高精度な測定方法
  ・ヘリウムを吹き付けてリーク量を測定
  ・研究機関・産業設備で一般的
• スプレーテスト：
  ・アルコールや専用スプレーを使用
  ・真空ゲージの変動で漏れを確認
  ・簡易検査として有効
• 圧力降下テスト：
  ・一定時間の圧力変化を記録
  ・システム全体のリーク判定に有効
  ・中古ポンプの初期確認として最適
• 石鹸水テスト（陽圧側）：
  ・フランジ部の泡の発生で漏れを発見
  ・配管チェックに便利

③ 中古ターボ分子ポンプの性能確認ポイント

• 到達圧の確認：仕様値に近い圧力に到達するか。
• 回転速度の安定性：規定rpmまでスムーズに加速するか。
• 異音・振動のチェック：ベアリング劣化の重要サイン。
• 電流値・温度上昇の確認：負荷過多がないか。
• コントローラとの互換性：正しく制御できるかを確認。

④ 到達圧・排気速度の測定手順

• 1. 粗引きポンプで初期減圧：ターボポンプ起動条件まで圧力を下げる。
• 2. ターボ分子ポンプを起動：回転数の立ち上がりを観察。
• 3. 真空ゲージで到達圧を測定：規定値±10〜20%以内が目安。
• 4. 排気速度（L/s）を評価：一定のガス導入量に対する圧力変化で判断。
• 5. 温度・電流値を記録：負荷が正常か確認する。

⑤ 検査方法とチェック項目の比較表

⑥ まとめ：リーク検査と性能確認が中古選定の決め手

中古ターボ分子ポンプは、内部摩耗・Oリング劣化・汚れなどにより真空性能が低下している可能性があります。
ヘリウムリークテストや圧力降下テストを実施し、到達圧・排気速度・回転安定性を確認することで、信頼性の高い個体を選ぶことができます。
動作確認済み・整備済みの中古品を選ぶことで、真空性能を確保し安心して運用できます。

よくある質問（FAQ）